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小さな香り歳時記 12「仲冬」

イラストレーターでエッセイストの平野えり子さんのコラム「小さな香り歳時記」。
四季のある日本の暮らしの中で、ふと感じる季節、ふと漂ってくる香りを綴っていただきます。(偶数月更新)
第十二回目は「仲冬」です。




今年の冬至は12月22日。
新年が、もうすぐそこまで来ているころだ。冬至とは、暦でいう冬のまん中。
昼の時間が一年でもっとも短いこの日を境に、翌日からは昼の時間が毎日少しずつ伸びていく。

一陽来復、待ちに待ったこの日は、実はこれから本格的な寒さにそなえる日でもある。
柚子湯にはいってあたたまり、かぼちゃを煮て食べて、あたたまる。
小豆粥を炊いたり、かぼちゃと小豆をあわせて煮る「いとこ煮」を食べるところもあって、冬至はにぎやかな冬のお祭りだ。

門口で火を焚く、「冬至の火焚き」の習慣が残っている地域もあるだろう。
冬は、焚き火の季節でもある。
一般的には縁遠くなってしまった焚き火だけれど、冬至の火焚きから始まって、お正月明けのどんど焼きやダルマ市のお焚き上げなど、冬は火を焚く行事が多い。
焚き火の匂いが胸に郷愁を誘うのは、どういうわけだろうか。

ところで、寒さをしのいで春を待ち遠しく思うのは、冬のある国には共通の感覚。
冬至に火焚きをする祭りは各国にある。
あのクリスマスも、もとをたどれば冬至にいき着くという。
寒さの厳しいヨーロッパなら、たしかに冬至を祝う気分も大きかっただろう。

丸太を燃やした冬至の祭りから生まれたのが、フランスのクリスマスケーキ「ブッシュ・ド・ノエル」。
「クリスマスになんで丸太?」と昔は疑問に思ったけれど、クリスマスがもとは冬至を由来にしていることを知って、ようやく謎が解けた。

焚き火はできなくとも、冬至にはかぼちゃと柚子で体をあたためて、これから迎える新年、そして寒中を乗り越える準備にしたい。



絵・文 : 平野えり子

1961年、静岡県生まれ、横浜育ち。
イラストレーター、エッセイスト。
山歩きや旅、暮らしについてのイラストとエッセイの作品を多数発表。
www.yes-hhh.website

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